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第354話 田中さん、誕生日おめでとう!

三井鈴は顔を上げて彼の目を見つめ合った。その瞬間、彼女は彼の目の奥に自分だけの反映をはっきりと見た。

「田中さん、誕生日おめでとう」

田中仁は優しく微笑み、彼女の頭を撫でながら「ありがとう!」と言った。

三井鈴は急いで立ち上がり、デスクに向かって、以前の暗い表情を一掃して、宝物のように誕生日ケーキを持ってきた。

「田中さん、このケーキは私が手作りしたんだから、絶対に食べてね」

田中仁は微笑みながら彼女を見て「うん」とだけ言った。

三井鈴はケーキを開けて、ろうそくを立て、ライターで点けて、優しく歌った。「お誕生日おめでとう、お誕生日おめでとう……」

「田中さん、早く願い事をして!」

田中仁は彼女の顔をじっと見つめて、ゆっくり目を閉じて両手を合わせ、何を願ったのかわからないまま、目を開けると彼女が目の前にいた。

二人はとても息が合っていて、一緒にろうそくを吹き消した。

三井鈴は田中仁にナイフとフォークを渡して「田中さん、最初の一切れは主役が切るんだから」と言った。

田中仁は過去の誕生日には、多くの親友が祝ってくれたけど、鈴ちゃんは一度も現れたことがなかった。

でも、今日の誕生日はシンプルだけど、とても温かくて、一番大事なのは、彼のそばに彼女がいることだった。

この誕生日は、彼女と一緒に過ごせた。

「よし、ケーキを切るか……」

二人がケーキを食べ終わった時、田中仁の携帯が鳴った。「可愛い息子よ、誕生日おめでとう!」

菅原麗の声が受話器から聞こえ、喜びが感じられた。

「ありがとう、ママ!」

菅原麗は微笑んで「今年は鈴が一緒だから、私とパパは遠慮しておくわ。夜はレストランを予約したから、位置を送っておいたよ。鈴も一緒に連れて行ってね!」と言った。

言い終わると、菅原麗は田中仁に話す隙を与えずに電話を切った。

しばらくして、田中仁のスマホに位置情報が送られてきた。

田中仁はため息をつき、三井鈴に「ママがレストランを予約してくれたから、今晩一緒に食べに行こう」と誘った。

「うん」

菅原麗が予約したレストランは浜白で有名なカップル向けの西洋料理店で、内装が豪華で、シーンがとてもムード満点で、若者に人気がある。

三井鈴と田中仁が入ると、二人の組み合わせが特に目を引いて、多くの人の視線を集めた。

二人は窓際の席を選び、座って間もなく、一
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